職種別の「転職市場動向」

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総務、広報、人事

経営側の視点に立てる人を

終身雇用、年功序列が崩れた今、どの企業でも人材戦略の抜本的な見直しが進められている。しかし、こうした変化に実務が対応できているかどうかと言えば、まだまだという企業は少なくないだろう。そのため人事分野では、評価制度の構築や社員定着のための施策を推進できる人、人材育成や教育制度の改善と構築ができる人が求められている。
総務は、多様化する企業のインフラ、観光整備のまとめ役という重要なポジションを担っている。より積極的にコスト削減や生産性向上のための職場環境の改善に取り組むことが、総務には求められている。
広報は、投資家向けの広報活動を行うIR、そして組織のリスクマネジメントが特に重要となってきている。社会的変化に組織が追いついていない中堅・ベンチャー企業においては、広報が会社の成長に大きく貢献するチャンスが転がっているかもしれない。
総務、広報、人事は、経営との一体感を意識して、業績貢献と企業価値や業務効率の向上に注力できることが大切。自分の実績を数値化してアピールできれば、ポイントは高くなる。

市場動向

  • スペシャリストが求められている。
  • 実績を数値化できる人が評価される。

経理、会計、財務

会計基準の国際化に対応できる人材かどうか

どんな企業にも経理職は必要だし、求められるスキルも汎用性が高い。だから求人内容と条件さえ合致すれば、転職できる可能性が高い。ただし、応募者のほとんどが経理経験者であるから、簡単ではないだろう。経理業務以外の、たとえば管理会計や財務関連の専門知識、実績があれば有利になる。
会計基準の国際化にともない、経理・財務を取り巻く環境はダイナミックに変化している。それに対応できる幅広い業務経験のある人、連結決算業務や株式公開(IPO)業務経験者のニーズが高い。
経理・財務出身者は企業統治(コーポレートガバナンス)重視の寒天からも経営層に登用されやすい。外資系企業への転職ではもちろんのこと、そうでなくても企業のグローバル化を考えて、実務経験プラスαの英語力や英文経理、米公認会計士(CPA)を組み合わせられれば、差別化を図れる。

市場動向

  • 連結決算、IPO経験は売りになる。
  • 英語力・CPAは差別化要因のひとつ。

企画・マーケティング

どんな結果を出したかが評価基準

企画職には、経営企画・事業企画・営業(販売)企画・商品企画が含まれる。
そのなかでも営業・商品企画がメーケティング食にカテゴライズされることもある。
それぞれ、経営企画職には戦略立案能力があり、財務・マーケティングの業務知識と経験が必要だったり、営業企画には営業実績に加えて全体の予算管理に必要な財務知識や経験視点・スキルが求められたり、違いはある。
全体的に言えることは、これまでどんな戦略・企画をいかにして生み出し、どれほど実績・利益拡大に貢献したかが問われるということ。また、市場規模は小さいことを自覚しておこう。

市場動向

  • 企画立案能力と会社貢献はセット
  • 市場規模は大きくない

販売・サービス

店長職が勤まる人材を

店舗スタッフはアルバイトやパートタイマーなど、さまざまな雇用形態で人材が確保できる。そのため、転職市場で必要とされているのは店長や店長候補である。店舗経営者として、商品・在庫管理、スタッフ管理、売上・コスト管理をすべてマネジメントでき、売上・利益の維持と拡大を実現できる人材が必要とされているのだ。
とくに部下となるアルバイトやパートタイマーのスタッフを指導するスタッフ管理の力が問われることだろう。

市場動向

  • 店舗、売上、コスト、人材管理能力が問われる。
  • 店長(候補)職のニーズが高い。

営業

人材不足だが、キャリアの発展性は限定的

市場では営業職は慢性的な不足状態なので、企業側は採用枠を広げている。即戦力となる人材はもちろん有利だが、ポテンシャル重視の未経験者や第二新卒の採用も増えている。特にニーズが高いのは、金融業界、IT業界のSI企業、医療機器業界の3つ。どの業界であっても、携わる商品やサービスの特性を熟知し、その業界の内情や競合先についての知識があれば、歓迎される。
だが、競争も激しく、はっきりと数字で結果が出てしまう分野のため、転職が成功すすかどうかは、本人の腕次第。キャリアの専門性が薄く、他の職種への発展性は限定的と評価されがちだから注意。

市場動向

  • 商品特性/業界&競合先知識が強みに。
  • 金融、SI、医療機器分野の求人ニーズが高い

技術職(IT系開発エンジニア)

キャリアアップのチャンス!

どの企業でも技術職には一定数の人材を確保しなければならないので、20代と30代前半までの若手エンジニアに対する求人は多い。IT業界で情報システムの開発案件が増えているのに、開発エンジニアは不足しているのである。
採用基準が緩和され、下請け企業の開発エンジニアが、大手・元請けの業務系エンジニアにキャリアアップすることも可能な状態だ。スキルを磨きたい若手エンジニアにとって、よりレベルの高い職場と仕事を手に入れるチャンスは多い。
ただし、転職後に周囲とのスキルや経験の差を実感してしまうかもしれない。早急にスキルアップし、開発経験を積み重ねる努力が必要となってくる。

市場動向

  • チャンスが大きい分リスクもある。
  • 求人ニーズはITバブルを上回る。

技術職(ハード系開発エンジニア)

デジタルエンジニアが有利

各業界で、バブル崩壊後の新卒採用を手控えたため、30代半ばの人材が不足している。中でも自動車、家電、半導体業界を筆頭とした製造業の求人ニーズが増加傾向にある。
自動車業界ではハイブリッドカーの開発技術、電子制御専門スキルを持つエンジニアが、家電業界ではデジタル家電を支える組み込みソフトの開発エンジニアや化学関連エンジニアが、半導体業界では自動車向け半導体開発に必要な人材が、それぞれ求められている。
IT系エンジニアと比べれば転職には消極的とされているものの、転職できる環境は充分に整っているということだ。

市場動向

  • マネジメントできる人材は強い。
  • 自動車、家電、半導体業界が積極採用中。

MR

専門性を生かした営業力

医薬品の分野では世界的な業界再編が進み、国際競争が激化している。営業職では医薬品営業のMRと医療機器営業の2つがあり、どちらも医療機関向けのルートセールスが中心なので専門知識が欠かせない。医薬品や医療機器に求められる効果や機能は非常に高度であり、業界全体として教育・研修制度が整っている。だから若手であれば、未経験転職も実現できそうだ。
新薬開発の関連職種はCRC(地検コーディネーター)、CRA(臨床開発モニター)、QC(品質管理)、管理薬剤師、学術、データマネジメント、薬事など細分化されており、それぞれにニーズがある。
規制の強かった業界が変革期を迎えている。新しい人材が入り込む余地があるだろう。

市場動向

  • 業界再編が進み、国際競争が激化。
  • 営業職と専門職の求人が多い。

コンサルタント

人気は高いが狭き門

人気の高いコンサルティング会社は、一般的に7つに分類される。
(1)ワールドワイドに展開し、戦略立案に特化する「戦略系」
(2)グローバルな会計事務所を母体にした「会計事務所系」
(3)国内金融機関の調査・研究専門家医者を母体とする「シンクタンク系」
(4)現場レベルでの業務改革が強みの「国内独立系」
(5)人材、組織、年金資金運用をコンサルティングする「人事系」
(6)IT戦略や情報システム構築を得意とする「IT系」
(7)ソフトメーカー、ハードベンダーがコンサルティングを手がける「ベンダー系」
それぞれに仕事内容も求められるスキルや経験も、大きく異なる。いずれにしても狭き門であることは変わりがない。
日本のビジネス界では、現在、大企業から中小企業まで企業改革や業務効率化に取り組んでいるから、財務、IT、企業再建、組織、業務改革コンサルタントが求められている。

市場動向

  • 専門性+変革実行力が問われる。
  • 財務、IT、企業再建、組織、業務改革のニーズが高い。