求人情報をピックアップ

新たな可能性の発見もあり

情報収集の目的は2つ。まず希望業界、志望職種を念頭に置いた具体的な求人情報さがし。そしてもうひとつは「こんな職種もあるのか」と、情報収集する以前は気に留めなかった、あるいは気づかなかったことを発見して見逃さないことである。
この2つ目の「新たな可能性の発見」は実は非常に大切なのだ。とくに転職初心者は最新の市場動向に疎いために、「自分にはこの仕事しかない」と思い込むか、とにかく何にでも興味がわくか、両極端になってしまいやすいからだ。
その人が磨いてきたスキル、経験、実績が生かせるならば、一貫したキャリアが望ましいとは言うものの、同業界・同職種転職にこだわる必要はない。新たなビジネスの現場で、より高い評価を得られる未知の求人と出会えるかもしれないのだ。

媒体それぞれの特徴

求人情報は、何らかの媒体を介して得られるのであるが、具体的にはどんな媒体なのだろうか。その特徴とともに紹介したい。

新聞(全国紙、地方紙、業界紙、英字紙)

ひとことで「新聞」とくくっても、各新聞社で特色が見られる。
発行部数最大を誇る読売新聞は、サービス業や事務系職種の求人が目立つ。朝日新聞には知識層の読者が多く、マスコミ業界の求人に強い。クリエイティブ系の職種や、医療業界の求人も目立つ。読者層が広く偏りがない毎日新聞には幅広い求人が掲載される一方で、日本経済新聞と英字新聞には金融業界・外資系企業の求人が多い。
地方紙はやはり地元企業の求人が充実しており、大手企業の地元採用も含めて、IターンやUターン転職を目指す人はチェックすべきだ。
業界紙はその業界の情報収集のためにぜひ目を通したい。求人を見つけるだけでなく、成長企業、製品・サービスの最新動向を知ることもできる。

インターネット(転職サイト、企業のHP)

求人企業が豊富で求人量も多く、タイムリーな情報更新が魅力的な転職サイト(リクナビNEXT、マイナビ転職、イーキャリア、エンジャパンなど)。業界・職種・勤務地・募集年齢など、条件入力をして簡単に検索できることが特徴である。
一般的な傾向として、大手の転職サイトでは全業界をカバーする求人情報を持っている。しかし、外資系、医療、ITエンジニア、コンサルタントなど、「この業界に強い」といった特色を打ち出すサイトも存在している。
もうひとつ忘れてはならないのが企業のホームページである。募集人員のある企業は、広告を出すのと同時に自社ホームページに採用情報をアップするケースも少なくない。関心のある企業があれば、こまめにホームページにアクセスしてチェックしておこう。ホームページをよく見ることで、企業情報も同時に入手できるのである。

ハローワーク

昔から職を求める人たちに一定の役割を果たしてきた、求人情報を無料掲載できる公共職業安定所。各都道府県に数カ所ずつ設置され、地元企業の情報数が圧倒的だ。現在はインターネットでもハローワークの情報を検索・入手できる。ただし、ハローワークに登録している人としていない人とでは、検索・入手できる情報に差がある。
掲載料無料は幅広い企業の情報が集まるという反面、経営状況が良くないから無料で求人したいという企業もあることを知っておこう。

転職フェア・セミナー

多数の求人企業が一同に介して開催するのが、転職フェアや転職セミナーだ。一番の魅力は、応募前に企業担当者と直接会えること。詳細な情報を聞き出すことができる。一方で、企業側からもチェックされているのだと自覚しておく必要がある。

雑誌(ビジネス誌・業界誌)

業界に関する特集記事が充実しているビジネス誌や業界誌では、企業PRとセットで求人広告が掲載されていることがある。目を通す価値があるだろう。

求人広告を読み解く

求人広告には独自の表現がある

限られたスペースにたくさんの情報を盛り込まなくてはならない求人広告には、略語や求人広告ならではの言い回しなど、独特な表現が使われている。まずはそれを知って、正しく読み解けるようにしたい。