知っておきたい「求人のあれこれ」

お仕事探しは求人情報比較ガイド

キャリアに汚点を残さないために

ワケアリ求人は「諸刃の剣」

キャリアップどころか、キャリアの汚点になってしまう求人もあるので注意が必要だ。ワケアリであるがゆえに企業側の復活にかける想いが強く、全面的にサポートをしてくれるような場合には、問題解決能力を発揮してキャリアのプラスにできることがある。しかし同じようにワケアリであり、明確な経営ビジョンや成長に向けた具体的な計画、つまり「復活のシナリオ」がない企業はサポート体制も不十分だろう。
復活のシナリオを語らずに、「○○できますか?」と問うばかりの企業には要注意である。火中の栗だけを拾わされ当然ながら成果など出せない可能性が高い。

自分のキャリアとの整合性は?

次々と社員が辞めていき、不況下でも積極的に採用を続ける企業がある。接客など人がどうしても必要なサービス業や、いつ撤退してもおかしくない中堅の外資系企業などで、よく見られる減少だ。
経営上、人がいないとやっていけないので、採用されやすいし給与もそれなりに提示されるが、自分のキャリアにとってどうなのかを冷静に考えなければならない。その会社に入社し、次にまた転職を考えていると仮定して、その会社での仕事を今持っている自分の職務経歴書に追加してみてほしい。果たしてキャリアに整合性があるかどうか、判断してもらいたい。自分が採用担当者になったつもりで、その職務経歴書に「?」と感じる部分があるのなら、キャリアの構築にはかえってマイナスとなる。

縁故・コネの活用は是か非か?

縁故・コネは有利に働く

縁故とは、紹介者が園機魚うに対して取引上のつよい影響力を持っている場合のこと。コネは社員の推薦など仕事上の人脈がからんでいる(コネクション)とか、まれにだが学生時代の友人からの誘いなどもある。過去の人間関係の中で信用力で推薦してもらうことだ。
新卒に限らず、縁故やコネを使った転職も意外と多い。転職した元上位に引っ張られる、取引先の人から転職先を紹介されるなど、一緒に働いた経験があって仕事のスキルや実績、人間性について既に証明済みであると企業側も安心なのであろう。
声をかけてくれた人に気兼ねして不本意な転職さえしなければ、縁故やコネは有効活用できるのだ。大切なのは自分がなぜ転職したいのか、入社後にはパフォーマンスを上げられるのかを、よく考えることである。
また、転職できる可能性が高いと言っても、入社後には「紹介者の顔をつぶせない」というプレッシャーが待っている。中途採用者の場合。即戦力として期待されているのだから、やる気があるだけでは期待にこたえられない。

カタカナ職種は正確にわかる?

イメージにとらわれないようにしよう

求人の募集職種の呼び方はイメージも考えて企業側が自由にきめることができるため、意外とカタカナ職種が多い。いわゆる技術系でなくても、技術的な提案をする職種を「セールスエンジニア」と呼ぶが、エンジニアだと思って期待すると、本人はそれほど技術的な知識に詳しくないこともある。タイトルのイメージと実体がマッチしない職種もあるということだ。
募集職種がイメージ重視のカタカナで、仕事内容が不明確な場合には事前に問い合わせて具体的な仕事内容を確認しておくこと。自己判断はトラブルの元である。
また、「ファイナンシャルプランナー」「インテリアプランナー」「住環境コーディネーター」「産業カウンセラー」など、対応する資格がある職種の場合は、無資格者は応募できないことも多いから注意が必要である。

よく知らない企業だったら?

パソコンを利用して情報収集

求人情報の職務内容を見ると自分の希望に近いが、その企業についてはよくわからない場合。人材紹介会社からの求人ならば、担当エージェントに聞いてみよう。しかし自分で見つけた求人の場合は、自分で調べるしかない。中途採用の場合、「連絡は1週間以内に」など期限が区切られていることが多いので、スピーディーに企業研究するコツを知っているとよい。
まず、ホームページのチェックは最低限のことだ。実はある分野では国内有数の企業だったとか、海外での実績や知名度が抜群という会社がたくさんある。ほかにパソコンでは、インターネットの検索サイトや新聞社・ビジネス誌の記事検索機能で企業名や商品・サービス名、社長名を検索してみよう。さらなる情報が得られるはずだ。

自分の目と耳で確かめる

実際に自分で接触することも、やってみる価値がある。店舗を構える会社ならば、お客として売り場を見に行ったり、商品やサービスを購入したりしてみよう。このとき、販売・サービス職を念頭に置いている人は、入社後をイメージしながら観察する。店内の雰囲気や接客の仕方など、いろいろチェックできるはずだ。
法人向けの事業内容の会社なら本社に行ってみて受付や出入りの人たちの様子から社内雰囲気を推測しよう。部分的な情報でしかないが、受け付け回りは顧客の第一印象に影響する「会社の顔」とも言える場所。参考になるだろう。

企業研究の限界

実際の職場と企業全体の業績は一致しない

企業の財務内容や業績については、HPや有価証券報告書、会社四季報などから調べることができる。しかし、それは会社全体の財務や業績である。実際に転職しようとしている職場の業績は、必ずしも会社全体のものと一致しない。会社の規模が大きければ、事業部ごとの好不調の差は激しいものだ。
メディアで報じられている内容と実態との間にはギャップがあることも知っておこう。中小やベンチャー企業であれば、業績が安定新古とも織り込み済みでなければならない。業績不振だから応募をあきらめる、という考え方はもったいない。

人によって捉え方がちがう

知りたい企業について、よく知っている人から意見を聞くことは大切だ。しかし、それを鵜呑みにしては危険である。なぜなら、相手の立場や環境、ものの味方の違いによって、得られる情報は変わってくるものだからだ。
たとえばシビアな結果が求められる会社のことを、「厳しい」「転職先には向かない」という人もいれば「がんばれば認めてくれる」「やりがいのある良い職場だ」という人もいる。
どんな人も、ニュートラルに意見を述べることは難しい。結局、最後の判断を下すのは自分自身だと自覚しなければならない。