土地を渡せば子供は喜ぶと思っている

失敗する大家さんの特徴とは(8)

「土地を所有していれば儲かる」という時代ではない

地方の資産家大家さんのなかでは未だに土地に対する執着心が抜けない方がいます。

  • 土地さえ所有していれば大丈夫
  • 子供たちにも預貯金ではなくて土地を渡せばいい
  • 不動産を子供に残せば、みんな喜んで受け取ってくれるだろう

このように考えている方がいますが、残念ながら土地の時代は終わりました。

地方での地価の下落が続くいま、単に土地を持っているだけでは資産運用になりません。
土地を所有していれば儲かる、そんな幻想は捨てないといけません。

立地のいい物件であれば、賃貸不動産を建てて収益を生む資産に組み替え、不要資産に組み替え、不要資産や不良資産は処分して換金する、共用になっている土地は単独所有に整理する、といったメンテナンスが必要です。メンテナンスしない不動産は腐っていきますから、いずれ稼げない、収益を得られない不良資産となってしまいます。

若い人はそのあたりの事情をよくわかっており、相続人となって遺産分割の段になると、不動産の相続をいやがります。
もちろん、相続人が自宅として使っている物件とか、立地がよく、家賃が高くとれる物件は喜んで相続しますが、立地の悪い、収益性の悪い物件となると、所有してもコストがかさむだけなので、大抵相続することを嫌がります。

不動産を相続する人にとって、受け継ぐ物件が収益を生まない、保有コストがかかるというものでは、負担を背負うだけですから、たまったものではありません。

現在相続人に喜ばれる不動産

相続人に喜ばれる不動産のポイント

  • 家賃がたくさん取れる物件であること
  • 管理に手間がかからないこと
  • 売却しやすいこと
  • 相続税の負担が軽いこと

所有する不動産を上記の希望に沿うように組み替えていくことが、是からの不動産の相続対策として最重要視されるべきことです。
資産家大家さんたるもの、少なくとも隣地との境界確定ぐらいは、生前に完了しておくぐらいの準備が必要です。また、このような物件管理のためにかけるコストをケチらずに、ちゃんと支出しておくと、結局は大家さんの金融資産減らしにつながるので、相続税対策としても効果があります。相続準備の必要経費として割り切って考えてください。