兄弟で不動産を共有している

失敗する大家さんの特徴とは(6)

トラブル防止のために、共有状態を解消することが大切

古くからの大家さんには「地主さん」と呼ばれる、先祖代々の不動産を引き継いで、賃貸事業をされている方が多数います。
このような不動産を多数お持ちになっている「資産家大家さん」にとって、相続税の問題は深刻なものがあります。というのは「資産か大家さん」は大抵不動産はたくさんあるが、金融資産は少ないものです。それゆえ、相続税の納税に苦労するという問題点を抱えているからです。

このような深刻な問題である相続税の問題であるが、当事者である相続人をはじめ、税理士も相続問題に接する機会が少ないため、専門家が後から事情を聞くと首をかしげたくなるような処理をしているケースも少なくありません。
典型的な相続処理の失敗例は、兄弟で不動産を共有しているケースです。
父親が亡くなり、遺産である不動産を子供たちが相続することがあります。
子供たちは特に兄弟仲が悪いわけでもないのですが、どの物件を打らが相続するかを話し合うとなるとなかなか結論が決まりません。そうこうしているうちに、時間だけすぎていきます。
そして、相続開始から10ヶ月、相続税の申告期限が迫ってきます。
税理士から「誰がどの物件を相続するか決まらないのであれば、とりあえず全物件を法定相続で分けておいたらいかがですか」というような中途半端なアドバイスを受けて、そのとおり相続したすべての不動産を兄弟で共有してしまった。。。そんな話がけっこうあります。
このような場合「とりあえず」でもいったん共有で相続してしまいますと、相続人ごとに単独所有に変更することは、難しくなります。そして兄弟の1人が亡くなり、その子供が親の共有持ち分を相続したりすると、兄弟間の問題が叔父と甥の問題となり、ますます解決が難しくなってしまいます。
ですから、遺産中に不動産が多数含まれている場合には、遺産分割により、誰がどの物件を相続するのか、きっちり決めて、トラブルの種を次世代に残さないことが大切です。
ちなみに、すでに兄弟間で共有で相続してしまった場合でも、ちょっとめんどうですが、持ち分を等価交換することにより、不動産を単独所有するように整理することが可能です。
とにかく、一刻も早く、共有状態を解消することが大切です。