売り出す際の手順は?

業者選びから売出価格の決定まで、最も有利な進め方

このページでは自宅を売り出す際に、具体的にどのような不動産業者にどのような手順を踏んで売りにだしたらいいのかを、注意点を踏まえながら説明しておきたいと思います。基本的内容は一般媒介方式を前提に話を進めますが、専任あるいは専属責任の場合にも参考になるはずです。

「購入」は売主直結の1社で、「売却」は営業力のある数社を競合させる

不動産の場合には「購入」よりも「売却」の時にこそ業者の選定に気をつけなければなりません。「購入」の際には、気に入った物件が見つかったら、できる限りその売主に近い1社に業者を絞り込めばいいのですが、「売却」に関しては業者の活動内容、営業マンのなどをよく見極めてから声をかける必要があります。

一般の売主が手持ち不動産を売却するとき、それを仲介する不動産業者には様々な形態があるのです。よく目にするような街場の中小の不動産業者にはじまり大手不動産会社の販売(代理)会社、仲介のネットワークグループ・ボランタリーチェーン店、直営店(支店)、信託銀行の不動産仲介部などというように、規模、扱う物件の種類・範囲は様々です。当然、業務システム・得意分野も各社ごとに違っていますから、その会社がどのような会社なのかということをよく認識しておく必要があります。

大規模店、小規模店ともそれぞれに長所・短所があるため、どの不動産会社に依頼するのが一番いいというようなことは一概にはいえませんが、各不動産業者に一般媒介方式で依頼するのが一番いいと考えられます。

ある程度の規模を誇る都市部の駅周辺であれば、三井リハウス、住友不動産販売、東急リバブル、有楽土地住宅販売などといった大手不動産仲介業者がだいたい軒を連ねています。売主としては「大手なら購入希望のお客さんが多そう」「何となく安心」といった理由で大手業者に任せてしまうのが一番だというのは安直です。

買い替えでも売却業者選びは同じ

自宅を売却するだけならどこでもいいからどこかの仲介業者に売却依頼をしてしまえばいいのですが、買い替えの場合は注意が必要です。

買い替え先の新築物件業者が裁定する場合や、買い取り保証を付けて業者が売却依頼を受ける時には、通常の相場の査定額よりも最低1割(業者によっては2割を超える)は低く見積もって査定額を出してきます。
業者は確実に売りさばける金額にしておかなければならないので当然ですが、売主にとっては納得のいきづらいところです。
この場合、新規購入先の物件との引き渡しのタイムスケジュールとの関係から新規購入先の業者に専任または専属専任で預けてしまう方法もありますが、できるなら一般媒介方式で他の仲介業者にも売却依頼をしてしまう方法をとった方がいいでしょう。

買い替えがらみのケースでは、購入先の業者が必死に売却活動をしてくれる可能性は薄いといえます。一般客に売るよりも、自社で買い取ったり、買い取り業者に流した方が利幅が大きいと判断すれば、業者はそちらを選択する可能性が高いのです。

売却に関しては、できるだけ他業者の力も借りる方向で臨むべきでしょう。

業者の査定はあくまで参考価格

売主の皆さんが自分の物件の売却や査定依頼をする際はまず、不動産業者へ周辺相場と物件の簡易査定額を問合せ、その上で直接営業担当者を呼んで詳しい査定額を算出してもらい、実際の売却価格を決定して媒介契約を締結するという流れになります。ここでの注意点として営業担当者の査定額はそのまま鵜呑みにしてはいけないということです。複数業者に査定してもらうと、各社が提示してくる査定額はまちまちです。
業者が独自に作成した査定マニュアルに沿って査定額を算出する業者もいれば、最近の事例などを参考にして経験で査定額を出してくる業者もいます。

業者の販売活動予定を確認する

媒介契約を結ぶ際には、その業者がどの程度の販売活動をするのか確認しましょう。以下のような項目を確認し、業者のほうでやる予定がないようであればぜひやってもらえるように要求しておきましょう。

  • 広告のチラシはどのくらいの量を配布するのか?
  • 住宅情報誌への掲載
  • レインズへの登録
  • オープンハウスはいつ頃開催してくれるのか?
  • 販売図面はきちんと作成されるか?

(1)〜(3)は最低限の営業活動ですから、これをやらない業者はおすすめできません。
(4)は売却依頼を受けた一般のお客さんが自由にその物件を見れるようにしたものです。集客効果も高く、成約に結びつきやすい方法です。