都心賃貸物件の有効性

賢い物件の見直し方・選び方(3)

投資利回りを考えて買い替えも

「賃貸不動産は立地がすべて」ということになりますと、都心の賃貸不動産に投資することが断然有利になります。これに対して、都心から離れた郊外や地方での賃貸事業の経営は、極めて不利になります。というのは、地価の下落と東京への経済の一極集中が続く状況では、郊外や地方における賃貸不動産の需要そのものが激減しているからです。

このような状況の中で、ごく一部の賢い大家さんは、地方の賃貸不動産から都心の賃貸不動産への買い替えを行い、投資利回りの改善に成功しています。

地方で建てるマンションも都心で建てるマンションも、建築価額にそれほど違いはありません。固定資産税や管理費、修繕費といった不動産の所有コストもほぼ同じです。であれば、地方の不動産にしがみつかないで、都心の賃貸不動産に乗り換えた方が家賃が一番高く、安定的に収益が得られる可能性が高くなります。

事業用資産の買替特例

「事業用資産の買替特例」という所得税の特例を使えば、売却不動産にかかる譲渡所得の80%について課税が繰り延べられます。つまり、この特例を活用することにより、売却代金の大半を購入物件の代金に充てることができるのです。

資産家の相続人にとっても、確実な収益力のある不動産を相続するのであれば嬉しいことです。仮に共有になったとしても家賃を分配することが可能であり、遺産分割を巡ってもめる可能性が少なくなります。収益力が確実であれば、いざという時の売却も可能となります。

不動産は取得と保有にコストがかかるので、高い収益を生む物件でないと所有する意味がありません。したがって、高い家賃が取れる不動産ほど、価値の高い、売りやすい物件となるのです。収益性が物件の価値を決める時代になってきたといえます。