業界の特徴

  • 2011年度は「船余り」で運賃暴落
  • 資源・エネルギー分野は堅調

海運業界の概要

海運は国内の海上輸送を行う内航海運と、海外との輸送を行う外航海運に大きく分けられる。内航はフェリーなどの旅客輸送もある程度の比重を占めているが、外航はほとんどが貨物輸送で、石油や鉄鉱石などの資源を海外から運び、工業製品などを海外へ運ぶのがおもな仕事である。荷主である他業界の動向や、世界系ザイン影響を受けやすく、海外の海運会社とも厳しい競争を強いられる。日本の大手3社は、それぞれ海外の海運会社とコンテナ船の共同運航グループを形成するなど、輸送効率の向上に努めている。

業界の動向

2008年のリーマンショック後の世界同時不況で、海運業界は深刻な業績悪化に見舞われたが、2010年度には市況が回復し、大手3社は黒字を達成。なかでも日本優先は前年度の赤字から1200億円超の黒字へV字回復を成し遂げた。
しかし、東日本大震災とその後の電力不足で製品の出荷量が大きく落ち込んでおり、船舶燃料の価格も上昇していることから、2011年度は各社とも再び減益になることが予想されている。アメリカ経済の低迷が続いていることもあり、海上運送の先行きは不透明である。