業界の特徴

  • 日本航空が再上場で完全復活
  • 円高により海外旅客増で国際線堅調

空運業界の概要

航空機で人や貨物を運ぶビジネス。期待の運行や整備、安全性の確保などに多額の投資が必要で、日本国内では羽田空港の発着枠等の問題もあることから、新規参入は容易ではなく、長年にわたり日本航空、全日空の2社グループによる寡占状態が続いてきた。しかし近年、世界ではすでに進行中の「航空ビッグバン」の波がついに日本にも押し寄せ、徹底的なローコスト経営で驚異的な低運賃を実現した海外の格安航空会社(LCC)が続々と進出。日本の航空業界も本格的な競争時代に入ろうとしている。

業界の動向

2010年12月、アジア最大のLCC「エアアジアX」が羽田空港へ乗り入れを開始した。12年春には全日空が別会社によるLCC運行参入を予定しており、日本航空もLCC参入を検討するなど、「空の価格破壊」とそれにともなう航空会社のサバイバルレースが、日本でも激しくなるものとみられる。
日本航空の経営再建は、更正手続きが11年3月に終了したが、東日本大震災の影響による需要の落ち込みなど、取り巻く状況は厳しく、12年予定の再上場へ向け正念場を迎えている。