業界の特徴

  • 節電など電力不足がなお経営環境に影響も
  • 人口減少に対応し、鉄道事業以外の開拓が必須

鉄道業界の概要

鉄道会社は歴史的な経緯から、旧国鉄の分割民営化で生まれたJR各社と、それ以外の私鉄に分けられ、私鉄のうち営業距離や輸送人員の多い16社が大手私鉄として分類される。
鉄道会社のおもな収入源は運賃収入であるが、大手私鉄やJR各社はいずれも、鉄道以外の事業を積極的に展開する多角経営を進めている。それらはおもに、鉄道利用者を増やすための住宅開発やレジャー開発、商業施設整備などであるが、近年は鉄道利用とはかならずしも関係しない事業への進出も目立っている。

業界の動向

2010年12月に東北新幹線が全通し、11年3月には九州新幹線が全通したが、東日本大震災が発生し、運休や旅行自粛などで利用者数は大きく落ち込んだ。
一方、少子高齢化による就労・修学人口の減少などで、鉄道利用者は頭打ち・減少へと転じている。大都市圏では都心回帰の動きにより利用者の増加もみられるが、長期的には減少傾向が続くものと予想され、鉄道各社の売上げに占める運輸部門の比率は低下し、被鉄道事業の比率が高まるものとみられる。また、新幹線や都市鉄道などの分野で海外進出をめざす動きもある。