業界の特徴

  • 規制強化で企業の「派遣離れ」が進み、市場縮小続く
  • 大手では中小企業を吸収する動きも

人材サービス業界の概要

人材サービス業は、大別すると、一般事務派遣、製造業派遣などの人材派遣・請負と、就職・転職の仲介を行う人材紹介の2つに分かれる。近年では、再就職支援などの事業も活発になっている。大手企業ではこれらのサービスを総合的に手がけることが多い。人材派遣と業務請負は、労働者・雇用者
・派遣先という三者の関係で成り立つ点では同じだが、前者では派遣先企業が労働者に直接業務の指示を出すのに対し、後者ではそれが禁止されているなど、指揮命令関係に違いがある。

業界の動向

2008年のリーマンショック後、製造業を中心に派遣社員の大量雇い止め、いわゆる「派遣切り」問題が発生。09年に続き、人材サービス業界の市場規模は縮小傾向にある。これまで、規制緩和の中で市場が拡大してきたが、流れは規制強化に変わり、労働者派遣法改正案では「製造業派遣・登録型派遣」の原則禁止が審議されていることから、さらなる規模縮小が懸念される。
そうしたなか、再就職支援事業の開始やアウトソーシング事業の新設など、各社とも新たな事業展開をスタート。いかにして、派遣事業に変わる新たな収益基盤を確立できるかが、今後の成長のカギになりそうだ。