水産漁業・食肉加工業業界の転職事情

国内市場が縮む中、海外と養殖が課題

業界の特徴

  • ハム・ソーセージ業界は消費者の低価格志向を受け、競争が激化
  • 水産業界は震災により調達拠点や生産工場に影響

水産漁業・食肉加工業業界の概要

水産漁業には水産物を扱うすべての工程、すなわち漁から加工、卸売までが含まれる。漁業者が国内外での漁・養殖によって水産物を獲得。加工業者は凍結・解体・加工・調味などを行う。一方、食肉加工業は、牛・豚・鶏などの生産飼育から、解体、加工、卸売までの工程がある。生産者が育成、解体業者が解体、加工業者が加工・卸売を行う。水産、食肉ともに、大手企業では自社グループで複数の工程を扱っている。日本人の魚介類と肉類の摂取量は2006年に初めて肉類が上回り、2009年にはその差は拡大している。

業界の動向

日本の水産漁業は、漁獲量が減少の一途をたどっている上、長引く不況から消費者の低価格志向が根強く、単価が下落し続けている。2010年には売上げの回復がみられる企業もあったが、東日本大震災による打撃は大きく、マルハニチロが約43億円、日本水産が約50億円の損失を計上した。一方、食肉加工業界では、安価で手頃な食肉の需要の高まりで、単価が下落し、大手各社の売上げは低迷。飼料価格の高騰という懸念材料もある。水産漁業では完全養殖、食肉加工業ではコスト管理の徹底などへの取り組みが重要となる。