業界の特徴

  • 2012年も国内市場は厳しさ続く
  • 価格が低い「第三のビール」の伸び鈍化

ビール業界の概要

ビール、発泡酒、第3のビールなど、ビール系飲料を扱う業界。ビール市場は、多数の地ビール会社もあるが、大手上位4社が市場の99%超を占めている。なかでもアサヒとキリンのシェア争いは熾烈で、2009年に首位をキリンに奪われたアサヒが、2010年は1位に返り咲いた。出荷量は、国内市場では6年連続で過去最低を記録。その一方で、海外市場では20年以上連続で増加している。特に中国の消費増が著しく、全体消費量では2003年以降1位を占め、その後も伸び続けている。

業界の動向

国内のビール市場が伸び悩むなか、近年、ビール業界をけん引してきた第3のビールが堅調。2011年上半期(1〜6月)の総出荷量は、前年同期比3.2%増で、構成比は過去最高の35.8%。しかし、低価格を売りにしている発泡酒、第3のビールの増税が検討されており、増税になれば各社への影響は大きい。そうしたなか、新たに台頭してきたのが「ノンアルコールビール」だ。酒税がかからず、本来は清涼飲料に分類されるが、ビール系飲料として扱われている。2009年にキリンが発売し、2011年には大手4社で出そろった。今後もさらなる成長が見込まれている。