医薬品業界の転職事情

欧米企業が圧倒的に優位

業界の特徴

  • 国内製薬会社がバイオ医薬品強化、新興国販路拡大へ
  • 日本の医薬品市場で外資系製薬の存在感増す

医薬品業界の概要

医薬品は大別して、医療用医薬品と一般用医薬品(OTC)とに分けられる。前者は購入する際に処方箋が必要な物で、特許に守られた新薬(先発医薬品)と、特許内容を利用して他社が製造したジェネリック医薬品(後発医薬品)がある。医療費の高騰から、安価なジェネリック医薬品への注目度が上がっている。一方で、新薬の開発に成功しても利益を生み出す保証はない。また、特許失効や薬価改定率の変更などによる、企業業績への影響が少なくないという一面もある。

業界の動向

高騰する医薬費を抑制するため、厚生労働省は開発費が安くすむジェネリック医薬品の普及を進めている。国内におけるジェネリック医薬品のシェアは23%(2010年度)で、厚生労働省はこれを2012年度までに30%以上にするという目標を発表。市場の拡大が見込まれることから、米ファイザーや第一三共といった新薬メーカーもジェネリック市場への参入を表明している。
また、2010年度の国内大手5社の連結業績は、武田薬品工業とアステラス制約が新薬の特許失効による減益となった一方、第一三共、エーザイ、大塚HDは増益となった。