業界の特徴

  • 足元は堅調だが、市場の成長率は鈍化傾向に
  • 競争激化により新型店舗を模索、極小商圏への出店も

ドラッグストア業界の概要

ドラッグストアとは、医薬品や日用品を中心に取り扱う小売業態のこと。日用品の安売りなどで集客を図り、利幅の大きな医薬品や化粧品で利益を確保するという販売手法を取る企業が多い。医師の処方箋にもとづいて調剤を行う「薬局」の運営には薬事法の許可が必要であり、従来は個人経営の小規模な調剤薬局が主流だったが、近年は大規模なドラッグストアチェーンが許可を得て調剤業務を手がけるケースが増えている。セブン&アイ・ホールディングスやイオンなど流通大手がドラッグストアに参入する動きm活発化している。

業界の動向

日本チェーンドラッグストア協会の調査によれば、2010年度の全国のドラッグストアの総店舗数は1万6259店。総売上高は5兆6308億円で、引き続き業界規模は拡大した。しかし、国内の市場は飽和状態になりつつあり、顧客の奪い合いもすでに始まっている。さらに、2009年6月の薬事法改正で、スーパーやコンビニなどでも一般用医薬品の一部販売が可能になったことにより、異業種を巻き込んだサバイバル競争が激しさを増している。スケールメリットを獲得した強者が弱者を飲み込む業界再編が、今後さらに進むことになりそうだ。