業界の特徴

  • 2011年の売上高は過去最高。15年連続減少
  • 再編は小康状態だが、不採算店整理は続く

百貨店業界の概要

高級品を中心に、衣料から日用品、食品まで幅広い商品を扱う伝統的な小売業態。1990年代初頭のバブル崩壊以降は国内消費が長期低迷し、消費者の「高級品離れ」が進んだことから、長く売上げが低迷している。低価格を売り物にするGMS(総合スーパー)や、消費の多様化とともに存在感を高めている専門店に客を奪われているのが実情だ。光学な贈答品やフォーマル衣装などハレ(非日常)の需要は依然高いが、多様化する消費者の嗜好に十分答えられなくなり、高級イメージの強みや徐々に失われつつある。

業界の動向

2010年の百貨店全体の売上高は、前年比4.4%減の6兆2921億円(日本百貨店境界調べ)。13年連続の落ち込みとなり、消費者の百貨店離れに歯止めがかかっていないことを示した。西武有楽町店、四条河原町阪急など、各社の有力店が相次いで閉店したことも地盤沈下を象徴している。生き残りに向けた大手同士の合併も相次ぎ、また三越伊勢丹が旗艦店である東京・銀座三越の大規模増床を実施したほか、高島屋が中国・上海へ出店するなど海外進出の動きもみられる。業界挙げてのサバイバルへの模索が続く。