業界の特徴

  • 大日本・凸版印刷の大手2社が業界全体で大きなシェアを占める
  • 機能性フィルムやICチップといった産業材など、紙分野以外の開拓も進める

印刷業界の概要

企業や個人から注文を受け、用紙・インキを仕入れて、印刷・製本などの加工を施した印刷物を納入する受注型産業である。事業所数では、年賀状や名刺、小売店のチラシ、ポスターなどをつくる小規模事業者が圧倒的に多いが、金額ベースでは、最大手の2社が市場の約半分を占める。大手が受注した業務を下請けに発注することも多い。

業界の動向

2009年の印刷および関連業の出荷額等は前年比8%減の6兆1721億円。出版社の販売不振や景気の悪化によって、紙への印刷、紙以外への印刷、製本業など、すべての分野で前年を割り込んだ。今後も市場の縮小は続くと予想されており、大手は保有技術を応用したICカードや太陽電池部材の製造、デジタルコンテンツ流通への進出など、事業の多角化を推進している。