業界の特徴

  • 日本の広告費は4年連続の減少。ソーシャルメディアの活用目立つ
  • 広告大手は新興国の広告市場を開拓する海外事業に活路

広告業界の概要

広告代理店は、企業などの依頼を受けて広告を制作、新聞・雑誌・ラジオ・テレビ(4マス)などのメディアから仕入れた広告枠に掲載(または放送)し、広告主の反則や宣伝活動を支援するのが仕事。制作は、代理店から制作会社などに依頼されることも多い。4マス広告のほか、ダイレクトメールや屋外広告などのプロモーションメディア、インターネット広告などのデジタルメディアもある。近年は4マス広告の売上げが下降気味であることから、これまで4マスに力を入れてきた大手代理店もデジタルメディア広告の売上げ拡大をめざしている。

業界の動向

2010年の総広告費は前年比1.3%減の5兆8427億円。4マス広告はテレビの同1.1%増を除いて、軒並み前年を割り込んだ。対照的に伸び率が高かったのはインターネット広告で、同9.6%増の7747億円。なかでもモバイルインターネット広告は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の普及とともに同16.5%増の1201億円と大きく成長した(以上、電通調べ)。2011年は東日本大震災の影響で上期の出稿量が落ち込む見通しだが、最大手の電通は「下期には回復する」との予想のもと、2012年3月期に当期純利益47.9%増を見込んでいる。