業界の特徴

  • 国内の建設市場は縮小傾向に変化なく、競争は激化
  • 海外の建設市場の開拓が焦点。リスク管理が課題に

建設業界の概要

発注者の注文を受けて建設工事を請け負い、完成させるビジネス。ゼネコン(総合建設業者)とよばれる元請けを頂点とする、典型的なピラミッド型の業務構造で、元請けの下に専門の工事業者が下請け、孫請け、ひ孫請けと連なってゆく重層的な構造になっている。業界に君臨ゼネコン大手5社のほか、準大手、中堅ゼネコン、マリコン、専門工事業者などがおもなプレーヤーである。
バブル崩壊以降は構造不況業種の一つに数えられており、中小の業者を中心に淘汰も進みつつある。

業界の動向

国や自治体の財政難による公共事業の削減や、民間需要の縮小などで、長きにわたり低落傾向が続いている。苦境脱出のため、大手各社を中心に海外進出の動きが広がっているが、鹿島がドバイの鉄道工事案件で巨額損失を出し、大林組が中国から撤退を余儀なくされるなど、苦戦を強いられる事例も多い。
東日本大震災の復興事業は建設業界にとって追い風であるが、国・地方の財政難のなかで復興予算がどの程度賄われるのか不透明な情勢であり、業界全体に明るさをもたらすまでにはなりそうもない。