業界の特徴

  • 売買高は低迷、業績は厳しい
  • インサイダー問題で信任がゆらぐ

証券業界の概要

資金の貸出を主要業務とする銀行に対して、株式や債券の発行、流通を仲介して市場に資金供給をするのが証券会社の仕事。証券の売買仲介で手数料を得るブローキング業務、自己資金で証券を売買し、差益を得るディーリング業務、新規発行される株式や債券の引受と販売で手数料を得るセリング業務などがある。これら全てを手がける総合証券会社のほか、インターネットで個人向けにブローキング業務を提供するネット証券、ディーリング業務に軸足を置く外資系証券などがある。

業界の動向

欧州の財政不安による金融危機や東日本大震災による混乱の影響で、全国の証券会社288社の2011年3月期決算は、前期に比べ営業収益は4629億円減、受入手数料も2280億円減、当期純損益は2658億円の赤字となった。2012年3月期も企業の株式、社債発行の低迷が懸念され、見通しは厳しい。
「日本株離れ」といわれる日本株売買の低調が続く中、金融グループ内のより一層の経営強化をめざし、大和証券グループ本社、みずほFGでは子会社の証券界社合併を発表している。