業界の特徴

  • ガソリンの内需減で石油精製能力削減が続く
  • 輸出品市況低迷で国内製油所の競争力が課題

石油業界の概要

資源開発業者と精製・販売業者に大別される。後者を主とする石油元売り企業は、原油を石油製品に精製し、ガソリンスタンドなどを通して販売しているが、原油の大部分を輸入に依存しているため、原油価格、為替、金利の動向に収益が影響されやすい。また、典型的な「装置産業」であるため、稼働率の安定や適切な設備投資の継続が収益を生み出す上で重要となる。
近年は、世界的な需要拡大を見越して、各社とも太陽光発電、バイト燃料といった新エネルギー分野への取り組みを拡充している。

業界の動向

石油精製業の収益構造はきわめて厳しい状況である。中長期的に国内需要は減少傾向にあり、原油価格高騰局面でもコストを製品販売価格に転嫁しにくいことが背景にある。2009年度の石油需要は燃料油合計で約1億9493万キロリットルとなり2億キロリットルの大台を割った。また、同年度の石油精製・元売り企業の売上高は、前年度比でおよそ8兆5000億円も減少した。業界では、構造変化に対応するため、石油製品の輸出や石油化学事業、石油開発事業、新規事業などへの展開、価格体系の改訂や過剰設備の削減などに力を入れている。