レアメタル業界の転職事情

中国依存度高い!

業界の特徴

  • 価格上昇でレアアースの輸入金額は上昇
  • ニッケルでもインドネシアが輸出制限の動き

レアメタル業界の概要

レアメタル(希少金属)とは、埋蔵量や流通量がきわめて少ない非鉄金属で、レアアースとよばれる希土類元素も含まれている。その多くはハイテク産業に不可欠で、日本では総合商社が調達に活躍している。また、廃棄された電子機器などからレアメタルを取り出すリサイクルは「都市鉱山」とよばれている。

業界の動向

ハイテク製品の増加にともなう需給のひっ迫で、レアメタルの価格は上昇。戦略物資としての重要性が高まっている。2010年の尖閣諸島を巡る日中対立では、中国がレアアースの対日禁輸を行った。世界有数の規模を持つ国内の都市鉱山とあわせ、官民一体となった、より戦略的な調達が求められている。
2011年の日本のレアアース(希土類)輸入量は2万2000トン強と10年より2割減少したが、価格上昇で輸入額は3倍の約2000億円に膨らんだ。レアメタル(希少金属)31鉱種でもレアアースの消費額は目立つようになり、在庫評価益などで業績を伸ばした関連企業も多い。鉱石主産国である中国が輸出を制限する中、日本勢は使用量削減を進める。使用量の削減が難しい分野では調達が容易な中国に生産拠点を開く動きも出ている。
ニッケルでも日本の主な輸入先であるインドネシアが鉱石輸出を制限する動きをみせており、関連各社は調達先の多様化を急ぐ。
チタンでは製錬に大量な電力を消費するため、福島第1原発事故以降の電力コスト上昇は負担となり、海外製錬に挑む企業も出てきそうだ。