非鉄金属業界の転職事情

金属の国際価格低下が逆風に

業界の特徴

  • 震災復旧も円高など重く、収益伸び悩む
  • 精錬各社は鉱山開発急ぐ。アルミ圧延各社は海外展開に重点

非鉄金属業界の概要

非鉄金属には銅やアルミニウムなどのベースメタルとリチウムなどのレアメタルがある。ここではベースメタル関連の業界を取り上げる。
銅はおもに電線やケーブルなどの原材料、アルミニウムは自動車など輸送機器の原材料として使用される。非鉄金属会社は、鉱石の探鉱、開発、採掘といった鉱業を主力とする企業と、採掘された鉱石を地金に加工する製錬を中心とする企業に分かれる。国内メーカーはおもに精練を手がけており、鉱山権益は主力とする海外メジャーに押さえられているのが実情である。

業界の動向

日本の非鉄金属メーカーは、鉱山権益を押さえている海外勢との原材料価格交渉で不利な立場にある。そのため2010年4月、新日鉱HDは石油元売り大手の新日本石油と経営統合してJX HDを設立。スケールメリットによって、海外での鉱山権益獲得を有利に進めたい考えだ。一方で、非鉄金属製品の国内販売は低迷しており、東日本大震災による需要減・生産減も加わって厳しい状況にある。そのため、住友軽金属工業、古河スカイなどが11年4月、米アルミ缶材料大手アーコの共同買収をはっぴょうするなど、海外市場を開拓する動きも活発になっている。