業界の特徴

  • 需要は減少、稼働率の低迷続く
  • 石化コンビナート内の再編が続く見通し

化学業界の概要

化学産業には石油化学、無機化学、医薬があるが、ここでは石油化学業界を取り上げる。石油化学製品は、
(1)出発原料(軽質ナフサ・天然ガス)
(2)基礎原料(エチレン・プロピレン・ベンゼンなど)
(3)中間原料(基礎原料の誘導品)
(4)石油化学製品(プラスチック・合成ゴムなど)
の順に加工され、自動車やエレクトロニクス製品などの工業製品から住宅建材、食品、日用品など衣食住に関わる幅広い製品の原料として使用される。石油化学業界には、おもに(1)〜(4)を一貫して扱うメーカーと(3)〜(4)だけを扱うメーカーがある。

業界の動向

基礎原料のエチレンは、国内需要が減少する一方で、中国、中東などの大型プラントが相次いで稼働しており、価格競争で太刀打ちできない国内製品のシェアは低下。そのため、三菱ケミカルホールディングスは旭化成と、三井化学は出光興産と、それぞれエチレンプラントの統合を図るなど過剰設備の解消に努めている。採算性の低い基礎原料から、タッチパネルやLED照明用の高付加価値製品にシフトする動きもみられる。三菱ケミカルホールディングスが傘下の三菱レイヨンを2010年10月に完全子会社化するなど、事業再編も進行中。