業界の特徴

  • 不良債権処理損が減少し、収益が改善
  • 中小企業金融円滑化法の期限切れで、取引先の再生が急務に

地方銀行業界の概要

都道府県など、地方を中心に営業活動を展開する105の銀行を地方銀行と呼ぶ。業態区分は営業地域によるもので、業務上「都市銀行」との区分はない。全国地方銀行協会に加盟する63行と、旧相互銀行から普通銀行に転換し、代に地方銀行協会に加盟する42行がある。
地方銀行は、自治体の指定金融機関であるケースが多く、域内シェアも高い。一方、その前身が無尽会社、相互銀行など「互助的性格」が強い第二地方銀行は、比較的シェアが小さく、取引先も抽象零細企業などを中心とする銀行が多い。

業界の動向

地方銀行協会によると、国債などの売却益の拡大や、不良債権処理額の減少などプラスの要因もあったが、貸出・預金金利の利ザヤの縮小に加え、東日本大震災による特別損益の計上で、前年度より減益となった。地方経済の低迷が近年続くなか、円高で苦しむ製造業を中心に、海外進出を勧める中小企業の増加。その中で
地方銀行は地場企業との長年の信頼関係を生かし、その支援を積極的に進めようとしている。
再編が盛んな地銀業界だが、東日本大震災の影響で「きらやか銀行」と「仙台銀行」の経営統合が延期となった。