業界の特徴

  • 震災・洪水で各社の業績が悪化。国内電機の失速も痛手
  • スマートフォン関連受注が業績を大きく左右

電子部品業界の概要

駆動部となるモーター、電器をためるコンデンサー、配線を接続するコネクター、水晶振動子、フラッシュメモリーなど様々な部品がある。これらは家電、情報機器、自動車など電器を使う製品に組み込まれ、総称して電子部品とよぶ。HDD用磁気ヘッドのTDK、セラミックコンデンサーの村田製作所、スピンドルモーターの日本電産など、それぞれに得意分野をもつ関連企業が住み分けをしているのがこの業界の特徴だが、いずれも高い技術力で高付加価値製品を生み出し、世界市場で大きなシェアを占めている。

業界の動向

2006、2007年に国内生産ベースで3兆円を超えた電子部品市場は、不況の影響を受けて2009年には1兆円台にまで縮小した。しかし2010年は再び2.4兆円まで回復、2011年は更なる回復が見込めそうだ。例えば京セラでは、国内は震災や節電の影響があるものの、環境エネルギー関連製品やデジタル家電、自動車関連市場向けの部品需要が増加してくるものと予想している。海外では引き続き新興国を中心に需要は堅調。先進国でも環境エネルギー市場の拡大が見込めるが、他方でアジアメーカーとの価格競争は厳しさを増している。