鉄道車両業界の転職事情

海外ビッグ3に立ち向かう日本の鉄道

業界の特徴

  • 海外大手3社が世界シェアの6割近くを占める
  • 政官民が一体となって新興国への進出を目指す

鉄道車両業界の概要

鉄道車両とは線路等軌道上を走行する車両全般をさす。元来は受注してから生産する注文生産品であり、発注者ごとに設計仕様が異なる多品種少量生産だが、コスト削減のため昨今では仕様の標準化が進んでいる。プレーヤーは鉄道会社の関連会社と重工メーカーに分かれるが、多額の設備投資を必要とするため、新規参入が難しい業界である。ICT化が進む近年では、鉄道車両や鉄道機器だけでなく、運行に関わる鉄道システム全般まで手がけるようになっている。

業界の動向

国内市場は成熟を迎えているが、世界的には地球環境に優しい交通輸送手段として見直されている。そのため鉄道車両メーカーは、海外における新規受注をめざしている。欧米各国に加え、インフラ整備に力を入れる新興国の市場をねらう。例えば、インドで国鉄と組んで貨物鉄道用の車両の受注をねらう川崎重工業は、生産拠点の建設も予定している。また、大型の海外案件となる高速鉄道の入札などでは、車両メーカーだけでなく、鉄道システムに関わる複数の企業で日本連合を結成、入札に挑んでいる。