業界の特徴

  • 外需比率が7割。2011年の外需は過去最高額。
  • 円高や中国メーカーの台頭で受注競争が激化

工作機械業界の概要

「マザーマシン」ともいわれる工作機械は、機械の金属部分を加工する機械。代表的なものとして、MC(マシニングセンタ)、NC(数値制御)旋盤、研削盤、放電加工機などがある。一般機械・自動車、航空機などさまざまな産業で用いられ、中でも自動車メーカーは有力な供給先となっている。従来は用途ごとにメーカーの住み分けができていたが、高機能製品の普及で、新たな競争関係が生まれている。
産業用ロボットは、自動車、半導体ウエハ搬送用から包装作業まで、さまざまな場面で導入されている。

業界の動向

2010年度の工作機械受注総額は前年比204%と大きく回復した。なかでも中国をはじめとするアジアの需要が旺盛で、受注額の伸び率は前年度比296%の伸びを示した。北米市場も前年度比234%、ヨーロッパ市場は227%とリーマンショック前の水準には届かなかったが、好調な結果となった。
アメリカの自動車大手GMの急回復に見られるように、新興国のみならず欧米市場の好調が予想され、各社は新工場建設など生産能力の増強を図る。しかし、円高による輸出環境の厳しさなどの不安は残る。