業界の特徴

  • アジア・太平洋での販売台数が北米・西欧の合計を上回る
  • 米ビッグスリーが急回復。GMが世界首位奪還
  • 中国が3年連続で世界最大市場に。日本は生産シェア低下
  • フォルクスワーゲンが生産台数では世界首位に

自動車業界の概要

自動車メーカーは部品メーカーから部品を調達して自動車を製造し、系列ディーラーを通じて消費者を販売する。日本の自動車メーカーは「擦り合わせ」と呼ばれる部品メーカーとの調達・設計での協業、「カンバン方式」などの優れた生産管理システムを築いてきた。ここから生み出される製品のコストパフォーマンスの高さが世界の消費者に指示されてきた。加えて、新興国市場の拡大で日本のメーカーも厳しい価格競争にさらされるなか、原材料、部品調達のために複雑なグローバルサプライチェーン(供給網)が構築されることとなった。

業界の動向

2010年の世界の新車販売台数は前年比約15.4%増の7458万台と好調。自動車販売をけん引したのは中国をはじめとするBRICs諸国などの新興国で、世界史上における乗用車など小型車販売比率が2010年に先進国と新興国で初めて逆転した。国別の販売台数をみると、中国が前年比32%増の1806万台で、2年連続世界一。だが2011年は中国の販売支援策終了、日本の大震災の影響などにより不透明感が増している。そのようななか各社は、低価格小型車生産に力を入れるとともに、次世代自動車の今後も見据え、新興国市場投入の準備を始めた。